【怪談】決して真夜中に読んではいけない「麻布の血塗れ女幽霊」。筆者は麻布のとある場所で野宿をすることに…そこで体験した恐ろしい体験とは?!

麻布に現れる女…。

最後の言葉に全身鳥肌、

恐ろしくて震えが止まらない怪談。

 

昔、麻布の仙台坂というところに住んでいたことがある。

大使館や寺があちこちにある、静かな町だ。

俺が住んでいたのは、麻布の谷間に沈むようにある墓場のそばの、じめじめした小さなアパートだった。

ある日、会社に何日か泊まり込んで仕事をしていた俺は、久しぶりに終電でアパートに帰った。

家に入ろうとして、アパートの鍵を会社に忘れたことに気がついた。

今から友人のところに行くのも迷惑だし、ホテルに泊まるほどの持ち合わせもない。なにより俺は疲れていた。

部屋の前に駐めてあるバイクのカバーをはがすと、俺はその中にもぐり込んだ。

キャンプ好きな俺は、野宿には慣れていた。

コンクリートは野山の土に比べれば固かったが、とりあえず体を伸ばすだけのスペースはあった。

隣の住人が見たら仰天するかもしれないが、その時はその時だ。

どれだけ眠ったのか。

俺は、人の気配で目が覚めた。

誰かが近くにいて、こちらをうかがっている。

 

いったい誰??

近隣住民か、ストーカーか、それとも幽霊か…!?

最後まで読むと、
眠れない夜を過ごすことになるかもしれない…。
 
 
 
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バイクのカバー越しだが、誰かの存在が感じられた。
警察や近所の住民だったら面倒だ。説明くらいしなければなるまい。
俺は、バイクのカバーから顔を出した。

 
女がいた。
 
俺の頭のすぐ上に立ち、体を少し降り曲げて、無表情にこちらを見つめていた。
長い髪が、服や顔にからみつくように乱れていた。
血まみれだった。
血で濡れた顔の中に、大きく開いた目が光っていた。
白い服が、血や泥で汚れていた。
 
それ以上、見ている余裕はなかった。
俺はバイクのカバーにもぐり込んだ。
全身が総毛立っていた。
ものすごい勢いで心臓が脈打っている。目が一気に醒めていくのがわかる。
気のせいだ。気のせいだよな。疲れてるんだよ。俺はそう思った。

 
でも、カバーを再び開けて、外を見る気にはなれなかった。
カバーの外には、あいかわらず何かの存在が感じられた。
今、外に出たらあれがいる。
そのまま、まんじりともせずに過ごした。

 
どれくらいたったのか。
いつしか、鳥の声が聞こえてきた。
それでも俺は、隙間から夜明けの光が射し込んでくくるまで、カバーの中から動けなかった。

 
しばらくして、俺はそのアパートを引き払った。
その夜のことは、疲れて幻を見たんだろう、と思っていた。

 
数年後。
俺は東京の怪談を扱った本を立ち読みしていた。
ふと気が向いて索引(さくいん)を見ると、仙台坂の項目があった。
俺がページをめくると、

 
「交通事故にあった、母子の幽霊が出る」
 
と、ごく簡略に書かれていた。
俺の体から、冷や汗が吹き出した。

 
あの夜の情景が、一気によみがえった。
そうだった。あの女の胸元には、体を埋めるように抱かれた、小さな女の子がいた。

 
…あれは、幻ではなかったのか。
 
 
血まみれの女幽霊、その手に小さな女の子を抱いて…
怖すぎる!!
その女幽霊は何を求めていたのだろうか…。
家の中でも何が起こるか分からないというのに、外で寝るものじゃない!
 
 
参照:パラノーマルちゃんねる
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