辺りが静まり返った深夜のこと
俺はキャリーバックを引きずりながら、エレベーターに乗り込んだ。
しばらくすると何か妙な音が聞こえて来た。『キーーー』なんだこれ?
いや、音だけではない。動作も一定ではなかった。
不穏に思いながらも平静を保っていると、1人の女性が乗ってきた。
可愛い!次、嫁さんを貰うなら、あんな感じがいいな~
先程の不穏な現象など忘れて鼻の下を伸ばしていると、
女性の降りる階が来てしまった。
名残惜しげにその後ろ姿を見てる俺…
すると突然、ドアが閉まっていないにもかかわらず、エレベーターが動き始めた。
女性はビックリしてドア部分に倒れ込んでしまった。
ヤバイ!このままでは体が挟まれて酷い事に…!
そう思った俺は、とっさにキャリーバックを滑らせてドアに挟み込んだ。
それは頑丈だったため、なんとかエレベーターを止めて、女性を救う事ができた。
しかし、結果として駆けつけた警察官により、女性の遺体が運び出されてしまった。
俺はとても悔やんだ。
あなたにはこの意味が分かりますか?
意味が分かると、背筋が凍ります…
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怖いのが苦手な人は読まないで下さい…
【 解説 】
『女性を救う事ができた。』
のに
『女性の遺体が運び出されてしまった』
と語られている。
これはキャリーバッグの中に
語り手の妻の死体が入っていたからであろう。
『次、嫁さんを貰うなら、あんな感じがいいな~』
という言葉からもすでに妻がいないことを示している。
『俺はとても悔やんだ。』
女性を助けたことで妻殺しが発覚してしまったため。
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