【閲覧注意】家賃滞納中の老人の家…合鍵使って入ったら異臭が…

連絡が取れない家賃滞納者のアパートを訪れ、合鍵を使って中の様子を見たところ…とてつもない異臭が…
 
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俺は昔、

不動産仲介の会社に勤めていたのだが、

 

ある日、管理物件のオーナーから

電話がかかってきた。

 

オーナーの物件の入居者が、

家賃滞納をしているらしい。

 

今月で二ヶ月分が遅れているという。

 

入居者に電話をしてみても、

全く出ないということだった。

 

その家賃滞納分を督促してくれ、

という依頼だった。

 

さっそく俺は、

管理しているアパートまで行った。

 

滞納者の部屋の前まで行き、

呼び鈴を押す。

 

が、反応なし。

 

しばらく呼び鈴を鳴らしたり、

ドアを叩いて名前を呼んだりしたが、

 

不在なのか全く反応がない。

 

仕方ないので用意してきた督促状を

郵便受けに入れると、

 

その日は引き揚げることにした。

 

その日から一週間、

 

入居者からの連絡等は、

やはり無かった。

 

こちらも物件を管理している以上、

家賃を取り立てなければならない。

 

入居者は独り暮らしの60過ぎの

じいさんだったが、

 

こちらとて情けはかけられない。

 

『今月末までに家賃滞納分をお支払い

頂けない場合は強制退去して頂きます』

 

という旨の書面を作成すると、

それを持って再びそのアパートへ向かった。

 

呼び鈴を押すが、

やはり反応はない。

 

ドア越しだが部屋の中も

生活をしているような感じがしない。

 

公共料金も払っていないのか、

電気メーターも動いていない。

 

「こりゃ、夜逃げだな」

 

そう思いながらも

最後通告の書面を投函すると、

 

俺はアパートを後にした。

 

結局、月末まで待ってみたが、

入居者からの連絡は無かった。

 

仕方ないので、

 

その日は管理キー(合鍵)を持って、

俺はアパートへ行った。

 

アパートの前に着くと、

 

事前に連絡しておいた、

この物件のオーナーが待っていた。

 

「おそらく夜逃げですね」

 

「まったく、やられたな~」

 

二言三言の会話を交わすと、

 

俺とオーナーは部屋の中に

どれくらい荷物が残っているか、

 

汚れ具合(改装にいくら位かかりそうか)

を見るために部屋の方まで行った。

 

合鍵でドアを開ける。

 

ドアを開けた瞬間、

何とも言えない臭いが鼻を突く。

 

一瞬で俺とオーナーには察しがついたが、

 

警察を呼んで間違いでしたじゃ

マズかろうということになり、

 

とりあえず『ブツ』を見つけよう、

ということになった。

 

嫌々ながら部屋に入ったが、

 

思いのほか、

臭いが強烈ではなかったので、

 

実際はこんなものなのか、

と思いながら探索する。

 

部屋は2DKだったので、

 

すぐに『ブツ』は見つかるだろう

と思っていたが見当たらない。

 

天井からぶら下がってもいないし、

押し入れの中で干物になってもいなかった。

 

「ないですね」

 

「ないなぁ~」

 

何かの勘違いかとも思い始めたが、

とりあえず探す。

 

俺が脱衣所の扉を開けた時、

それまで微かだった臭いが酷くなった。

 

「オーナー、ココみたいです!」

 

慌ててオーナーを呼ぶ。

 

脱衣所には洗濯機が置いてあるだけだ。

 

「ひょっとして、

バラバラにされてこの中とか・・・」

 

「・・・殺人事件?」

 

「臭いの酷さからして、

間違いないから警察呼びましょう」

 

「・・・うん、そうやね」

 

と言いつつ、

 

興味本位か仰け反りながら

オーナーが洗濯機のフタを開けた。

 

恐る恐るのぞき込む。

 

「あら?」

 

中には何も無かった。

 

じゃあ、この臭いの根源は?

と思いつつ、

 

ピッタリと閉まっている

風呂場のドアを見る。

 

おそらく今度は間違いないだろう。

 

心臓をバクバク言わせながら、

風呂場のドアを開ける。

 

パッキンで上下を密封されたドアが開くと、

もの凄い悪臭。

 

「うわっ!」

 

とっさに鼻をつまみながら、

涙目で風呂場の中をのぞく。

 

浴槽の中には肉片の付いた白いものが、

プカプカとドス黒い水の中に浮かんで・・・

 

どうやら、風呂に入っている時に

死んじゃったらしい。

 

もちろん検死なんか出来るはずもなく・・・

 

風呂場の密閉がしっかりしていた為、

 

臭いが漏れなくて近所の人も

気付かなかったらしい。

 

その後、この部屋は、

風呂場を100万円近くかけて改装。

 

そして今、

貸し出し中となっている。

 

(終)

 
 
参照:怖話ノ館(こわばなのやかた)
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