曰くつき物件に住むなら
これくらいの精神力がないと
持たないようです…。
8月に実際に体験した出来事です。
半年ほど前から一人暮らしをしている古いマンションの隣人の話。
僕は夜から朝までの時間帯の勤務で、昼夜逆転の生活をしています。
その日も朝帰って昼頃に寝て、夜中の0時辺りに目が覚めました。
それから暫くテレビを見ていたら、隣の部屋から声が聞こえてきました。
年を召された感じの女性の喋る声。
ちなみにこのマンションは1つのフロアに3部屋ずつしかなくて、僕は真ん中に住んでいます。
反対の隣人はたまに見かけるのですが、声がした方の隣人は見かけた事はおろか声どころか物音もした事ないので、そこで初めて人が住んでる事を知りました。
それでも気にせずにいると、その部屋の方の壁がコンコンとなりました。
夜中の2時過ぎという事もあり、テレビがうるさいのかと思い電源を切りました。
するとまたコンコン。
気味が悪くなりました。
するとまた声が聞こえだしたので、壁に耳を付けて聞いてみました。
内容としては、
・こんな体なので外に出れない
・母が寝たきりになっている
・今壁側のとこに立っています
・もう一度壁を叩いてもらえませんか
みたいな内容を喋っては一分程黙り、また喋っては一分程黙りの感じで、誰かと電話しているみたいでした。
にしても間隔がやたらと長いのと、明らかにこっちの壁に喋っているのと、内容にこの部屋の事が含まれてるのとで、気になってしょうがなくなりました。
するとまたコンコン。
それに対し、ちょっとした出来心でこちらからも壁を叩いてみました。
すると「はぁい」。返事がきました。
いやいや、たぶん電話の返事のタイミングと重なっただけだろうと思い、もう一度コンコン。
「はぁい」
明らかに返事でした。
その後、更に「もう一度叩いてもらえますかぁ?」とか何度も言ってきたので、恐怖と怒りで壁を殴りました。ドゴン。
すると、隣もシーンと静まり返りました。
そのまま朝になりウトウトしていると、玄関の方から声が聞こえてきました。
物音を立てないように玄関までいき、ドアの覗き穴から外を見ると、赤チェックのパジャマを着たガリガリの5,60代の女性が、両手で水をすくうような動作をしながら立っていました。
髪の毛は真っ黒でボサボサでお腹の辺りまで伸びっぱなしで、いわゆる幽霊のような見た目でした。
すぐにドアから離れて声を聞いていると、
と、ずっと呪文のように繰り返していました。
とりあえず様子をみようと10分くらいそれを聞いていると、急にその女が歩きだして、隣の部屋のドアが開いて閉まる音がしました。
ここで初めて、隣人があの女なのだと知りました。
この隣人、どうやら
様子がおかしいようです…。
とりあえずもう帰ったみたいなのでまた睡眠。
そして、夕方頃に物音で目が覚めました。
玄関のドアノブがガチャガチャ回されてました。
ちょっとガチャガチャやって、少しあけてまたガチャガチャを繰り返していました。
玄関まで行って覗き穴を見ると、隣の女がうちの前でくるくる回っていました。
すると立ち止まってまたガチャガチャ。
気味が悪いので無視しました。
一時間くらいやられてましたが、結局隣の部屋に帰っていきました。
すると、その10分後くらいにまた外から声が。
玄関に近づくと、
そのまま30分ほど放置しましたが、あまりにしつこいのでドアを内側から蹴りました。
すると驚いたようですぐ部屋に帰りました。
それから夜の8時頃。またガチャガチャなり始めました。
ドアノブを回しては部屋に戻り、またすぐ出てきてはドアノブ回すを、ずっと繰り返していました。
文句言いたいのは山々なんですが、怖くて動けませんでした。
それでもコンビニには行きたくなってきたんです。
ドアノブをガチャガチャした後部屋に一旦戻るみたいなので、その間に急いで出ればいいやと思い、タイミングを見計らって出る事にしました。
女性が部屋に戻ったのを確認し、部屋を出て鍵閉めて走ってエレベーターへ。
ちなみに、エレベーターは隣の女の部屋の正面です。
こういう時に限って遠い階にいってるエレベーターを、ボタン連打で呼びました。
すると後ろから、ギィィィィィィィとゆっくりドアが開く音がしました。
恐怖で後ろを振り向けなかったのですが、エレベーターの扉に反射してドアが開くのが見えました。
更にその開いたドアから、ぬーっと黒い塊が出てきました。ボサボサの長い黒髪。
全身鳥肌が立った所でエレベーターが着きました。
エレベーターに乗ろうとした所で、
「この部屋に住んでるんですか?」と枯れた声が後ろからしました。
恐る恐る振り向くと、覗き穴越しに見るよりもさらにおぞましく見えた女性が、僕の部屋を指差して立っていました。
女:マルタさんですか?
自:はい?違います、ていうかうちに何か用なんですか?
女:・・・
自:僕は半年前に引っ越してきて、あなたなんか知らないんですけど。
女:私と話した事ありますか?
自:いやだから、話した事ないし知らないですから。
女:・・・
自:前住んでた人と間違ってるんですか?
女:・・・
自:あと、ドアガチャガチャするのやめて下さいね。
ドア開いた時にチラッと中見たら、電気ついてなく真っ暗で、ダンボールが散らばってました。
そのままコンビニへ。
しかし、ここで不安が1つ。
部屋に戻る時に、いや、エレベーター開いて目の前にいたらどうしよう。
とりあえずコンビニで買い物済ませマンションへ。
エレベーターに乗り、出来るだけ後ろに下がり自分の階へ。
エレベーターのドアが開く瞬間は冷や汗だらけでした。
が、そこにはいませんでした。
一応人違いも伝えたし、もうガチャガチャするなって言ったから大丈夫かなと、安心しながらエレベーターを降りて通路を曲がると、うちのドアの前で女がまた両手をゆらゆらと揺らしてました。
恐怖と怒りが込み上げてきて、どうしていいかわからず、急いで部屋に入ってまた内側からドアを蹴りました。
するとおとなしく部屋に帰っていきました。
そして翌朝。
またドアノブがガチャガチャ。
更に、「聞きたい事があるんですぅ」の声。
明らかにあの女。
チェーンロックかけたままドアを開けました。
女:ミヤザキさんですか?
自:誰それ?違うから。
女:(僕の部屋の中に向かって)みやざきさーん。
自:誰もいないから、一人暮らしだから。
女:誰かと住んでるんじゃないんですか?
自:だから一人暮らしっつってるでしょ、てか警察呼びますよ?
女:・・・
自:もう来ないで下さい
おとなしく部屋に帰っていきました。
が、そのあとすぐまたガチャガチャ、ドアを勢いよく開けて、
女:怒らないで聞いて下さい。
自:何。
女:アレを作ったのはミヤザキさんじゃないですよ?
自:はぁ?!アレって何?
女:・・・
自:本当に迷惑なんだけど。
女:・・・
自:おい。
女:・・・はい。
自:もう来るなよ?
女:・・・
自:おい!
女:は、はい。
自:わかった?
女:はい。
自:よし、じゃあ帰れ。
またおとなしく部屋に帰っていきました。
そしてまた数分後外から声が。
覗いて見るとまたあの女。
いつもは暗くてモゴモゴ喋るんですが、見えない誰かと喋ってる彼女は満面の笑みで声のトーンも高く、
ねぇ貢献してよーw貢献してーww
うんwえーいいじゃーんwww
ねぇ入れて?入れてよーwwwww
ちょっとだけ!
ねぇいいじゃーんwww
ねぇ見せてーw携帯見せてよーwww
まぁでも、ドアノブ触ってるわけではないので大目に見てあげてたんです。
ですが、どうやらテンションが上がってきたみたいで、ドアノブをガチャガチャ。
完全に頭にきた僕は、内側から鍵だけをそっと開けました。
そしてまたガチャガチャ。
いきなりドアが開いてビックリした女に向かって、
「うるせぇぇぇえええぞごるぅああああ!!」と叫びました。
それ以来、女の被害には遭っていません。
というか見かけてません。(物音はしますが)
ちなみに、まだそのマンションに住んでます。
気合いで霊を払ってしまうなんて…。
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